細川貂々 / その後のツレがうつになりまして。(幻冬舎)

その後のツレがうつになりまして。

鬱のみならず、さまざまな病があるわけで、それに罹患しつつも、病んでいる己を恥じないでいるというのはなかなか難しいが、これはどのあたりの世界まで共通の傾向だろうかと考える。病んでいることを貴んだり畏れたりする文化は現代にあるのかないのか、とかね。病を決して否定的に捉えないようにという経験に基づく啓蒙も、シンプルな絵柄と的確なセリフで描かれているので厭味がなく、効果的だ。