2008-09-11 諸永裕司 / 葬られた夏(朝日文庫) 本 渡米して事件関係者に取材するところはさすがに読みがいがあるが、『週刊朝日』の原稿をもとにしているので森達也『下山事件』(新潮社)とどちらを先に読むかで印象が大きく変ってしまうはず。しかし、信じるものがあった時代というのは何か眩しい。信念は時代ではなく個人に還元できるはずといったら、それはそうなのだが時代といったことばで掬いきれないバイブレーションがひとびとのものの判断に大きく影響を与えることは間違いなかろう。