上杉隆 / ジャーナリズム崩壊(幻冬舎新書)

ジャーナリズム崩壊 (幻冬舎新書)


本邦の報道業界の健全さを損なっている記者クラブを批判する一冊。日本独特のモラルコミュニティである「世間」がマスコミでは根強く残っていることがよく分かる。記者クラブの功罪についてもう少しバランス良く紹介すべきだろう。罪についてはやや冗長で、皮肉めかしたジョークもつまらないものが多い。あくまでも筆者がフリーランスの立場で気骨があることが伝わるだけで、「会社員」ジャーナリズムの悪しき魅力については類型的な描写に過ぎる。