ハットリくんの音楽で世界旅行でござるの巻



最近、1970年代から80年代にかけての日本の劇伴音楽(おもにテレビドラマ)について気ままに探求しているのだが、YouTubeでおもしろものさがしをしているとついつい脱線してしまう。きょうもなぜか気づいたら、忍者ハットリくんの主題歌聞き比べにすっかりはまっていた。ハットリくんといえば、藤子不二雄A先生の代表作のひとつであり、日本が世界に誇るキャッチーな忍者まんがであることに異論を見ない。ここはひとつ、ハットリくんのオープニングナンバーを聞き比べて、世界めぐりの旅としゃれこもうではないか。


♪まず皆さん、オリジナルを聴いてください


作詞:藤子不二雄、作曲:菊池俊輔、歌:堀絢子コロムビアゆりかご会
日本語→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E


♪では南下して、東アジア地域



イントロにアダプトされたSE含め、安っぽい打ち込みブラスとストリングスでとにかくにぎやかにしたい香港人の気分がつたわってくるような気がする一品。広東語による児童の発音はなかなかポップでよい。ベースが音を外してるのはちょっと残念。


こうやって並べてみると、あんまり個性が無いのが韓国版。ボーカルはとぼけた感じで、譜割がじゃっかん間延びしている。



♪さらにぐぐっと南西方向へ



BPMがやや遅めで、合いの手に入るシンセがかなり適当な仕事をしているところがインドらしくて悪くない(音程も適当で完璧)。


♪西へ西へ



オケ(バックトラック)に注目すると元トラックにかなり忠実だが、原曲にあるエレキギターのリフがすべてオミットされて、ラテンパーカッションが強調されているのがミソ(しかし、オリジナルで鳴っているシェイカーは再現されていない)。最初聴いたときは、歌詞の母音の多さからスペイン語かと思ったが、バスク語版らしい。歌詞の中に、あきらかに「ケムマキ」が出てくるので、原詞からはかなり内容が変わっている模様。


バスク語版のオケを流用しているようだが、かなり適当なカバーでインドよりもひどいwとくにメロディの再現性が低いというか・・・これはアドリブ・・・いや、もはや作曲の領域に突入しているといっていいのではなかろうか。「ニンジャモ チコテ!」という合いの手のかわいらしさでごまかそうといってもそうはいかない!


どちらかというと、バレンシア語版に近い脱力系カバー。ドラムスの適当さ、メロディの適当さ。まあ、異国でカバーされるというのはこういうものなのかもしれない、と思わせてくる一品。しかし、西ヨーロッパでハットリくんは意外と人気があるのだろうか。かなりエキゾティックな代物だから決して受けは悪くなさそうだが。


というわけでいががでしたでしょうか、みなさん。こうやって聞き比べてみると、なかなかおもしろいですね。誰もが知っている曲だから、ご紹介できるってのもありますけど、日本アニメが諸外国に翻訳されて伝わるというのが、だいだいどんな感じのことなのか、感覚的にわかっていただけたかと。ハットリくんに限っていえば、YouTubeで掘っていくと、韓国語版吹き替え、タイ語版吹き替えが大量に見つかるので、やはり人気の中心は東アジアなんでしょうね。たまにはこういうのもよいですな。