ミュージックdeオリエント急行の旅




オリエント急行の開通記念列車は1883年10月4日夜にパリ・ストラスブール駅(現パリ東駅)を発車し、6日かけてコンスタンティノープルイスタンブル)に到着した。

経路はパリ(フランス) - シュトラスブルグ(ドイツ帝国、現ストラスブール) - ミュンヘン - ウィーン(オーストリア=ハンガリー帝国) - ブダペスト - オルソヴァ(ルーマニア王国) - ブカレスト - ジュルジュ - ルセ(大ブルガリア公国) - ヴァルナ - コンスタンティノープルオスマン帝国)である。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E6%80%A5%E8%A1%8C より



カウント・ベイシー楽団の「パリの四月」から旅はスタート。タッド・ジョーンズの代わりにこのライブテイクではフィル・ギルボーのエナジェティックなソロ・トランペットが堪能できる。このはちきれんばかりのやや肥満したスウィングから察するに、'40年代後半から'50年代初頭の演奏か。スウィングのやや旬が過ぎたサウンドは、甘く苦く腐りかけた香りがする。

  • ザ・レイクス / Strasbourg


最初の停車駅はストラスブール。レイクスはドイツ好きの英国のロックバンドらしいが、この演奏は旧東ベルリン地区で行われたようだ。日本でいうところのメロコアとかエモコア(だっけ)みたいな、パンク的意匠を身にまとったソツのないロックサウンド

  • エディターズ / Munich


ミュンヘンを奏ずるエディターズも英国のロックバンドらしい。wikipediaによるとバーミンガムを中心に活動しているとか。英国のくるりみたいな感じだな。これはライブでのアコースティックバージョンだが、他の曲を聴くと哀愁溢れるメロディラインとニューウェーブ的なフレージングが目立つ。サウンドも洗練されていて人気がありそうだ。

  • ウルトラヴォックス / Vienna


言うまでも無いほど有名なコニー・プランクのプロデュースによる1980年作品。リリースから29年が経っている。PVのウィーンの風景を見ると、第二次大戦直後の廃墟と化しているウィーンを舞台にした映画『第三の男』を思い出してしまう。

  • ビリー・コリンズ / Budapest


ビリー・コリンズは米国の詩人。というわけでこの動画はポエトリー・リーディング+アニメーション。なかなかしゃれている。英語が分からない人もぜひどうぞ。

  • オアナ・カタリーナ・キツ / Bucharest Tango


ルーマニア人によるタンゴ。ルーマニア語なんかはほとんど読めないので、情報もよくわからないが、歌がうまいのはよくわかる。

  • ジェニカ&ヴァリ・デ・ラ・ジュルジュ / dve v edno


ルーマニアン・ポップス。なかなかよくできている。米国のヒップホップの雰囲気を取り入れてはいるが、メロディラインがほとんど中央アジアのソレで、とてもエキゾティックで楽しい。こういうのをもっと探してみようかな。


リネルとフランズバーグによる言うまでも無いTMBGによる「 Istanbul」でこの旅もとうとうおしまい。また会う日までさようなら。



なんとなくYouTubeクラフトワークの「Trans Europe Express」を聴いていて、このヨーロッパ特急ってのは実在した路線なのかなと思いながら、音楽でオリエント急行の旅ができないかと考え、オリエント急行の停車駅をウィキペディアで探しながら選曲してみた。実際には、TEEはオリエント急行とはまったく別物らしいことが、選曲を終えてからわかったのはご愛敬。




TEE (Trans Europ Express) とは、第二次世界大戦後の西ヨーロッパで運行されていた国際的鉄道ネットワークである。通しの列車番号を持つ国際特急列車群としてスタートしたが、後にフランス・イタリアでは国内相互発着の最優等列車の呼称としても使用された

http://ja.wikipedia.org/wiki/TEE より