2005-06-23から1日間の記事一覧

竹内洋 / 教養主義の没落 (中公新書)

「教養」を西洋から輸入した日本においては、必ずしも出身階層が「教養」への妨げとならなかった傾向を、東京帝大文学部生の出身別統計を参照して導き出し、農村出身青年と教養主義の親和性を論じたり、広義のアカデミズムにおける岩波書店の立ち位置分析を…

鴨下信一 / 面白すぎる日記たち (文春新書)

元東京放送勤務で、山田太一脚本『岸辺のアルバム』『ふぞろいの林檎たち』を演出したという氏の筆は、面白い。本書で紹介されている滅法それなものを取り上げると正岡子規『仰臥漫録』の壮絶さ、性欲に支配されて右往左往の悲しい、蘆花&啄木。そして、白…

中原昌也 / ソドムの映画市 (洋泉社)

屈折とイライラと批評性のあいまった読みやすい一冊でした。