レッド・ツエッペリン / Led Zeppelin (1969, Atlantic)



レッド・ツエッペリンのファーストアルバムだ。ぼくが今までにきちんと
聴いたことがあるのは、5枚目の『聖なる館』だけで、それを聴いたのは
ハードなロック未体験の時期だったのでぴんと来なかったのだが、今回は
このグループの面白さが良く分かった。


ロバート・プラントの、ハイノートで叫ぶボーカルスタイルはあまり好み
ではないが、スロウテンポのバラッドで、その実力が良く分かる。おそらく
ハードロック/へヴィメタルの雛型になったボーカルスタイルなのだろうが、
彼ほどうまいシンガーもあまりいないだろう。ただ、個人的にはどうしても
へヴィな感が否めず、3曲目の「YOU SHOOK ME」の最末尾、シャウトとギターの
リフの掛け合いで思わず笑ってしまった。マジメなファンにはきっとおこられるな。


レッド・ツエッペリンのバックボーンというか、彼らの音楽性の幅が広いことも、
その多彩な楽曲によって分かった。基本的にはブルーズ色の強いロックで(とくに
ギターのフレージングにそれが窺える)、ブギーっぽい乗りが面白かった。
大きな音で聴いても音圧に多少物足りなさが残るが(最新版のリマスターではない)、
後半の5〜9曲目(オリジナルのサイドBにあたる)の流れは良質のコンピレーションを
聴いているようでとても素晴らしい。


蛇足ながらお気に入りは2曲目「BABE I'M GONNA LEAVE YOU」。悲しくていいです。