細野晴臣 / HOSONO HOUSE (1973, Bellwood)



いまから30年前の狭山アメリカ村を想像しながら聴くはずだったのですが、曲が
はじまってから、どうでもよくなりました(笑)。結局、音楽の力がへんてこな
妄想よりもずっと強いと言うことを証明しているようです。それにしてもこの
アルバムを聴くたびに、なんか細野さんのコアってやっぱこのアルバムなのかな、
とか、日々レコード屋を回って、レコードを買っては聴いてるけど、本当に聴きたい、
持っていたいと思わせるレコードって少ないよな、今持っているものの中で最後の
最後まで手元に置いておきたいレコードって、やっぱり「ホソノハウス」かなあ、などと
いろいろ思いました。しっかしこのアルバムは全篇に渡ってバンドアンサンブルが、絶妙。
「恋は桃色」のイントロなんかたいへんしびれますね。とてもリラックスして聴くという
感じではなくて、ついつい身を乗り出して、1曲始まっては終わるごとにスピーカーの前、
ひとりでうーうーあーあー呟きながら、聴いてしまいます。ああ、もう全曲いいな。全曲。
と細野さんの作品に関してはどうしてもミーハー気味になってしまいますが(苦笑)、なぜ
このアルバムの最後に超みじかい「相合傘」が入っているのかよく意図がわかりません。
単なるお遊びなんだろうけど。なにはともあれぼくにとっては、きっと死ぬまで聴いていく
レコードの一枚です。こういう音楽に出会えたことはやっぱり幸せだよなあ(笑)。