マイルズ・デイヴィス / LIVE-EVIL



'70年にマイルズが行ったワシントンでのライブと、ニューヨークでのスタジオ録音の曲が交互に並んでいる2枚組。
強烈です。とくに、ディスク1のファンク・ジャズなグルーヴはタマリマセン。マイケル・ヘンダーソン
スプリングのように粘るベース、キース・ジャレットの変態鍵盤プレイ(時折ロマン派っぽい
フレーズも・元からクラシックの素養があったのかしらん)、そして、ジョン・マクラフリン
ギターは…そんな目立ってないかしら。ワウワウ・トランペットのひびきも良いです。なんというか、
加熱しっぱなしの鉄板の前に座っていると湯気がぶわぶわぶわぶわ絶え間無く立ち昇っていくような
そんな感じの音楽です。気づかぬ間に大ヤケドみたいな。ディスク2はディスク1と比べるとぐてぐて(サイケ)ですが、
嗚呼それにしてもこのドロドロ渦巻く熱さはなんなんだろう、と思います。時代とドラッグと凄腕
ミュージシャンのせいだとは思うんですが…。コリア=ハンコック=ジャレットという鍵盤隊には
参りました(ジャレットをジョー・ザヴィヌルにすると『In A Silent Way』〜『Bitches' Brew』)。
鍵盤好き好き。ライブ感(とくに「SIVAD」「WHAT I SAY」)に酔いしれました。合掌。