4-3 もてる女の「エリート・フェミニズム」(108〜110)



筆者は島崎今日子『女学者丁々発止!』(学陽書房)を読み、「「フェミニスト」を名乗る人たちが、けっこう美人で、恋愛も結婚もちゃんとしている」のに驚く。そして、男にもてた(注 一般的な「もてる」)「近代日本最初のフェミニストとも言うべき平塚らいてう」を紹介したあと、「一九七〇年代ころからのフェミニズムは、むしろこういう(注 らいてうのような)「恋愛上手」で「奔放」な女たちが、女性に対して性的に抑圧的な社会に抵抗するために始めたというのが実相だと思う」と所感を述べている。そしてその根拠として、「ピル(経口避妊薬)解禁などが初期フェミニズムの活動目標」となったことを挙げ、「要するに、「いろんな男とセックスを楽しんで何が悪いの」というのが日本のフェミニズムの基本的な動機だったのである」と判断を下している。