4-4 「エリート・フェミニスト」と「男フェミニスト」への不快感(110〜112)



筆者は黒人フェミニストのベル・フックスの発言に好意を示す。というのは、「彼女の「ブラック・フェミニズム」は、従来のフェミニズムが、白人中流階級を中心とした「エリート・フェミニズム」であることを告発」しているからである。また、日本でも「「ウチは事実婚です」と威張ったりするエリート・フェミニストたちは、自分では夫や恋人を確保できる連中なのであり」「私に対して「もてない女はどうなるんだ」と言ってきた人たちが、ではもてない女について何か考えているかというと、そんな形跡はないのである」としている。


筆者は次に「私の妄想かもしれないが」と断った上で、「「男フェミニスト」には、いい男、もてそうな男が多いような気がする」とし、森岡正博瀬地山角宮台真司伊田広行を挙げた上で、「彼らはきっと」「俺は女の扱いがうまい」から「女を理解している」と幻想し、「結婚なんて制度だから」とか言いつつ事実婚していて、フェミニスト的なことを言っていると女もさらに喝采してくれて、みたいな環境にいるのではないか」と「邪推」し、無闇に羨んでいる。


最後に、筆者は「ブス問題については、いささか楽観できそうな節もある」と言う。というのは「もてる男は、むしろブスに寛大であり、ハンサムな男の妻が意外とブスだったり、美人が風采の上がらない男を恋人にしたりしているという例が多いような気がする(全然データの裏付けのない話ではあるが)」とし、「アメリカの経済学者ソースティン・ヴェブレンの「顕示的消費」の理論に近い形で」「男が美人にこだわる」理由を説明できるとしている。