ポール・オースター / ミスター・ヴァーティゴ(新潮社)



あとがきで訳者の柴田元幸が作者の言葉を引いているように、大ざっぱに言って、ピノキオのような話だ。時代背景が二十年代から、第二次大戦後までにおよび、主人公が夢(生きる希望)を失ったり、取り戻したり、そのあたりのことを米国の歴史と重ね合わせてみたりするのも一興。訳文は実にこなれていて大変読みやすい。


評価:★★★