斎藤美奈子 / 文章読本さん江 (筑摩書房)



文章読本と文章(文学、新聞etc)のヒエラルキー変遷への考察が中心。『赤い鳥』の作文に対する考え方や、明治34年頃に提案された「棒引きかなづかい」の愉快さなどが印象に残った。こんにちの対面型文章の趨勢を鑑み、「読みやすいことはよいことである(というテーゼ)」は今後も引き続き支配的イデオロギーとして文章界に存在するであろう、と結論している。