森岡正博 / 感じない男  (ちくま新書)



作者は自分が思春期に二次性徴を以って男性的に変化していった自分の肉体を受け入れることが出来なかったという経験を元に、ロリータコンプレックスや制服好きが理解できる自分を通して、欲情するということについて思考していく。森岡の誠実さや繊細さがよくわかるよい一冊だが、学者(教育者)としてこういう一冊を書いてしまって、仕事に支障をきたさないのだろうかと下世話な感想も抱いた。まあ、学生にしろ世間にしろ、本なんてあんまり読まないから平気なのかも。