2005-05-04から1日間の記事一覧

内田樹 / 先生はえらい  (ちくまプリマー新書)

師弟関係というものは、「誤解」に基づいて生成されるものである、という考えに基づいて、「コミュニケーション」や、「理解」について主に語られる。村上春樹がたしか『スプートニクの恋人』で書いていた一節に「理解とは誤解の総体である」ということばが…

春日武彦 / ロマンティックな狂気は存在するか  (大和書房)

「消息」ということばを「物事の様子」という意味で使う春日はやはり文学的な精神科医である。彼の主張は一貫していて「狂気は類型である」というもの。「正気」の持つ秩序から抜け出して、「自由」を象徴するような「狂気」、つまり「ロマンティックな狂気…

永井均 / これがニーチェだ  (講談社現代新書)

なかなか晦渋な文体で、読みにくい。哲学の人なんだなあ、という感じ。永井の解説するニーチェからは、彼は延々と「真理」について述べている感を受け、またわたしがまったく「真理」に興味が無いことを再確認する良い機会になった。偉大と称される思想家や…

森岡正博 / 感じない男  (ちくま新書)

作者は自分が思春期に二次性徴を以って男性的に変化していった自分の肉体を受け入れることが出来なかったという経験を元に、ロリータコンプレックスや制服好きが理解できる自分を通して、欲情するということについて思考していく。森岡の誠実さや繊細さがよ…

斎藤美奈子 / 文章読本さん江 (筑摩書房)

文章読本と文章(文学、新聞etc)のヒエラルキー変遷への考察が中心。『赤い鳥』の作文に対する考え方や、明治34年頃に提案された「棒引きかなづかい」の愉快さなどが印象に残った。こんにちの対面型文章の趨勢を鑑み、「読みやすいことはよいことである(と…

おうごんしゅうかん。

最近本を読む時間が少なくなっているのだが、ゴールデンウィーク中は、案外とリラックスして本を読むことができて、うれしかったし、楽しかった。読みながら、途中で寝ることがよくあった。それもまた気持ちよいのだ。ふだん併読している本を次々読了したの…