原作、松本清張。加藤剛が将来を嘱望される若手作曲家役なのだが、実に若い!最初誰だかわからなかった。音楽、芥川也寸志。但し、劇中で加藤が書き上げてリサイタルに臨む「宿命」というピアノコンチェルトは菅野光亮という作曲家が書いているようです。「運命」に名前が似ているからって、あそこまで浪漫派にしなくてもな、という感じ。
音楽好きとしては、映像に現れている加藤剛の律動が音楽とズレを生じているため、白々しさをぬぐえない。けれども、全般的に漂う泥臭さ、そして後半40分以上にリサイタルの場面を挿入する、という独特な構成で印象に残る。