[雑文]キェルケゴールにとっての永遠



グレゴーア・マランチュク『キェルケゴール弁証法と実存』(大谷長訳、東方出版1984年)を読んでいます。神話の考察を通して、キェルケゴールが永遠という概念の本質について考えている(そしてそれをマランチュクが整理している)のだけれど、とても興味深い。

「それ故、神話において、無限界なものである永遠が限界づけの範疇、つまり時間と空間によって、把握されるのである。従って、永遠なものが人類の神話的時期に「抑圧されていること」において存するのである、なぜなら、永遠なものの本質は、限界づけの世界に属するような諸形式によっては表現され得ないからである」(p.31)

永遠は、時間や空間によっては把握し得ないのですね。ま、そりゃそうだろうと思わないでもないのですが。だって、永遠なんだから。あ、でも2018年現在において空間は有限性の規定として見なしうるのかという問題はあるよな。ほら、宇宙ってどんどん広がり続けているという説があるでしょう。だから。