2004-03-26から1日間の記事一覧

夢枕獏 / 聖楽堂酔夢譚 (本の雑誌社)

実在しない書物の紹介を私小説で散文なテイストで延々とやっているのである。 おもしろかったが、読むとなぜか眠くなってしまい、読了するまで3ヶ月かかった。 掲載誌の影響か夢枕の文体が、往年(10年位前か)の椎名誠なので、それはすこし笑えた。

諸星大二郎 / 暗黒神話 (集英社)

マンガの持つうさんくささ、うさんくささゆえのおもしろさをその画と荒唐無稽な ストーリーテリングから感じさせるのが諸星大二郎だな、という感じが最近していて、 しかもこの単行本の表題作は稀有壮大で、その結末もきわめてマンガのもついかがわしさを発…

矢作俊彦 / ららら科學の子(文藝春秋)

中共に夢を抱いた青年はなんとなく大陸へと渡り、その実態に打ちひしがれ、 マフィアの船で30年ぶりに日本へ帰り、牛丼屋(?)で出会ったビールを飲む女子高生に 自分の失った時間への憧憬を垣間見たりして。若さへの、過ぎさった時間へのノスタルジー。 そし…

ジム・ホール / CONCIERTO(邦題:アランフェス協奏曲)

CD

リズム隊がシックでブルーズで、その上を、ジム・ホールのフレキシブルな爪弾きが進んでくKANJI。 メロディはチェット・ベイカーのセンシティヴ。悪いはずが無いという。