2005-08-29から1日間の記事一覧

井上章一 / つくられた桂離宮神話 (講談社学術文庫)

あとがきが良かった。学問の世界の政治性についての告発をすると、「あいつは大人気ない」と言われて、仕事はやりにくくなるのだろうけれど、しかし「本当の学問とは何か」という氏の真摯な姿勢によって、一般読者は惹きつけられるのだろう。

筒井康隆 / 笑犬楼よりの眺望(新潮文庫)

面白かった。『文学部唯野教授』を再読したくなりました。あれは、二年前のちょうど今ごろ、唸りながら笑いながらページを繰っていたのです。解説の岡留安則は魯鈍な塩梅で、しかも無暗に長くて詰まりませんでした。

安野モヨコ / 働きマン (2巻、講談社)

1巻を読んだ時点では、そつなくまとめてるなあ、うまいなあ、という感じだったのだが、まんがとしての展開が出てきておもしろくなってまいりました。世界観の描写→人物詳細へ。仕事の出来ない編集委員が西東京市在住なんてあたりが妙にリアルな感じ。

こうの史代 / 長い道 (双葉社)

恋愛マンガというのは、だいたいにおいてファンタスティックだ。少女マンガをあんまり読んでこなかった身としては、その辺り、迂闊に発言できないのだが、そういったテーゼを了解しつつ、その幻想性を高いレベルで表現しているのが、こうののこの作品だと思…

永江朗 / インタビュー術! (講談社現代新書)

インタビューについてのいろいろの話。とくに第3章がおもしろかった。巻末のブックガイドが参考になる。一部を下記に抜いてみる。 アレックス・ヘイリー『プレイボーイ・インタビューズ』 マルコムX『マルコムX自伝』 スタッズ・ターケル『仕事!』 山際淳司…