ルーシー・フリーマン、屋代通子訳 / なぜノーマ・ジーンはマリリン・モンローを殺したか(扶桑社ノンフィクション)



 マリリン・モンローは非常に不幸な育ちで、スクリーンでは生/性の魅惑を放ちながら活躍したが、その一方で酒と睡眠薬と無数のセックスで心身を罰し続け、破滅的な生涯を36歳で閉じた。
 書物としては決して品の良いものではないし、同じような記述が何度も繰り返されて退屈する。その上「すべからく」(「当然」の意)を「すべて」の意で誤用している訳者の愚鈍さに失望を禁じえないのだが、マリリンの分析治療の経過を通して語られる伝記的読み物としてはなかなか興味深い。彼女の出演した映画や歌なども探して見聞きしてみたくなった。