廣瀬陽子 / 強権と不安の超大国・ロシア(光文社新書)

強権と不安の超大国・ロシア   旧ソ連諸国から見た「光と影」 (光文社新書)


国際的な未承認国家(周辺国における実質的なロシヤの出先地域)として紹介されている沿ドニエストル、ナゴルノ=カラバフなどのエピソードを通じてかの国が周辺国(旧衛星国)に政治的・経済的に圧力を加えており、基本的にはソ連時代から変わらない強権的な体制を維持していることがわかる。命知らずの筆者が現地取材で体験した度重なる賄賂の要求や強姦未遂などのエピソードを綴るコラムが本文以上に強烈で印象的。未承認国家としてはアブハジア南オセチアなどのエピソードもほしかったが、新書としては充実しているほうだろう。