2009-01-28から1日間の記事一覧

安彦良和 / 三河物語―マンガ日本の古典 (23)(中央公論社)

ドニ・ユイスマン / 美学 (文庫クセジュ)

佐藤優 / 私のマルクス(文藝春秋)

チェコの神学者フロマートカに強烈に惹かれていく学究生活と同時並行で、1980年代前半、同志社大学神学部内の自治活動に勤しむ変わり者の濃密な青春記。前半の浦和高校時代の描写は1970年代後半の東欧旅行記が面白い。後半の大学時代の描写には業の深い友人…

中島岳志、西部邁 / パール判決を問い直す(講談社現代新書)

極東軍事裁判におけるパール判事の判決の長所短所をつぶさに拾い上げ解説する対談本。"保守"の定義と近代主義の関係、また世界連邦論に収斂するようなパールの法哲学と道徳観の理解のために、ケルゼンの純粋法学理論とその問題点を明確に解きほぐす後半は、…

廣瀬陽子 / 強権と不安の超大国・ロシア(光文社新書)

国際的な未承認国家(周辺国における実質的なロシヤの出先地域)として紹介されている沿ドニエストル、ナゴルノ=カラバフなどのエピソードを通じてかの国が周辺国(旧衛星国)に政治的・経済的に圧力を加えており、基本的にはソ連時代から変わらない強権的…

姜尚中、小森陽一 / 戦後日本は戦争をしてきた(角川Oneテーマ21)

本邦が朝鮮戦争やベトナム戦争にいかにかかわり発展したか述べる対談本。"歴史"を知らない若者にとって啓蒙的で役に立つ。ただし小森の発言は傾向として煽動的かつ陰謀史観が垣間見え、活動家らしさは頷けても、研究者としての冷静さには疑問が残る(対談形…