中島岳志、西部邁 / パール判決を問い直す(講談社現代新書)

パール判決を問い直す「日本無罪論」の真相 (講談社現代新書)


極東軍事裁判におけるパール判事の判決の長所短所をつぶさに拾い上げ解説する対談本。"保守"の定義と近代主義の関係、また世界連邦論に収斂するようなパールの法哲学と道徳観の理解のために、ケルゼンの純粋法学理論とその問題点を明確に解きほぐす後半は、法学初心者にも興味深く読めるだろう。西部×中島の前著『保守問答』は駄作だったがこの新書は読み応えがあるのでモダニズム全般、とりわけ日本の近現代史に興味のある方へおすすめ。