庵野秀明総監督 / 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に



けさ、4時過ぎから思い立って久しぶりに観返した。とても良かった。言うまでもなく庵野監督の内面を世界に投影している点ではテレビシリーズの弐拾伍/弐拾六話と変わらないのだが、娯楽作としてまた劇場版として完成度が遥かに増している。戦自のネルフ侵攻〜エヴァ同士の戦闘〜主要登場人物の受難〜サードインパクトへ至る過程〜サードインパクト後の描写という一連の流れにムダが無く、構成も練られていて、作画のクォリティも高い。

25話のミサトとシンジの別離のシーンの、ミサトの長台詞には改めて心を打たれた。ニーチェではないが庵野監督が自らの血で書いているセリフという感じがしみじみ伝わってきた。26話では復活したアスカを鳥葬にするシーン、世界がLCLに還元されていくシーン、最後の「気持ち悪い」がとても良かった。庵野監督の私小説を延々見せられている気分になるのだが、作劇と演出の質の高さでスムースに楽しめる。この作品を映画館で観たときは17歳の夏だったが、37歳の夏にまた観ても面白いということは、自分の節目ふしめに観返す作品になるのかもしれないと感じた。それにしても......アスカ良かったです。