2005-01-16から1日間の記事一覧

感想/意見:まえがき&第一回 童貞であることの不安―童貞論

本書にたいしての感想や意見を述べていくにあたって、わたしは基本的に自分の体験に即して発言しようと思う。そうしないとつまらないからである。まず「もてない男」の定義、この点についての理解は大切である。本書を読むうえで、問題となっているのは、「…

1-5 童貞と潔癖さ、そして 童貞喪失はあっけないのかどうか

筆者はフランスのフレデリック・アミエルの日記を紹介し、彼が四十歳まで童貞であったこと、それは彼の潔癖と、恋愛への高い理想が理由であったことを指摘する。そして、アミエルの「とにかく男と名のつく者が、必要な場には自分が教え手となることもあるの…

1-4 初体験において性交そのものよりも難しいこと

筆者は高橋留美子『めぞん一刻』と、ちばてつや『のたり松太郎』を通し、物語の中での「性」描写の難しさを解説したのち、三木卓『ミッドワイフの家』を引き、童貞にとって「性行為そのもの以上にむずかしいのは、こういう際にどういうコミュニケーションを…

1-3 初体験への恐怖

筆者は、以下の四点をアダルトヴィデオや、マンガ、文学作品を交えながら、初体験への恐怖として述べている。 「初めて異性と肌を合わせ、性器挿入をおこなうのが、自己の身体の使用という点で男女を問わず不安に駆られるのは自然な感情だろう」(20) 「妊娠…

1-2 「処女」に対する「童貞」

「女というジェンダーが、異性に触れたことがあるかどうかに関して有徴であったことは否定しえない。それに対し、「童貞」という状態への関心の低さは、これを表す言語の貧困と相まって甚だしい」(12)とし、「男にとっての童貞であること、あるいは童貞喪失…

1-1 「もてない男」の定義

小谷野(以下筆者)は、まず「まえがき」で、彼の言う「もてない男」について定義している。箇条書きしてまとめてみると以下のようになる。 「好きな女性から相手にしてもらえない、というような男」(8) 彼は「高い理想を求めて、これに叶わない異性は相手…

概要:まえがき&第一回 童貞であることの不安―童貞論(該当ページ:7〜40、但しこれより後のカッコ内の数字は引用先のページ数をさす)

読書会:第1回 小谷野敦『もてない男―恋愛論を超えて』(1998年、ちくま新書)その1