2005-01-19から1日間の記事一覧

3-6 その人でなければならない理由、そして男はみなマザコンである

筆者は大澤真幸の『恋愛の不可能性について』の議論を紹介しながら、「知的な思考実験の趣があってさほど実践的ではない」とし、「現実には人間はそんなに「条件」の揃った異性に会えるわけではないので」、「何度か会っているうちに好きになってしま」った…

3-5 片思いの構造と理想の女性像

筆者は「完全な片思いというのはあるのだろうか、と問」い、「よおく考えると、あることか、私は向こうから近寄って来たときにのみ女性を好きになっているような気がする」と告白し、「別段異性としての関心があって近寄ったのではなかったり、私の人格がわ…

3-4 一人に決める難しさ

筆者は「竹田青嗣が「同情ならいや、愛ならいい」という心理について書いている(『恋愛論』作品社)が、これはけっこうレベルの高い話で」「せめて同情なりとしてもらえれば私の世界では御の字なのである」と心情を述べている。また、「どうして人は自分を…

3-3 無償の愛の貫き方

筆者は「ここまで書いてきた手段ではどうしようもないほどその女性が自分を相手にしてくれないときはどうすればいいのか」(83)と問い、文学作品等を用いて以下の通り挙げている。 無償の愛に生きる 愛する女性にはほかに愛する男がいるので、その男の代わり…

3-2 「押したり引いたり」しなければいけない、という言説

筆者は「「押したり引いたり」しなければいけない、という言説」とは「要するに「手管」というやつで」(80)、「気があるような、ないような振りをしながら少しずつ引きつけるやり方である」と説明し、「この手も、相手に少しは気があるときしか使えないので…

3-1 「女は押しの一手」思想

筆者は映画『眺めのいい部屋』(ジェイムズ・キーヴォリー(ママ)監督、E・M・フォスター原作)、『ホテル・ニューハンプシャー』(ジョン・アーヴィング原作)、紫式部『源氏物語』中の「宇治十帖」、名香智子『パートナー』などに描かれている強姦のシー…

概要:第三回 女は押しの一手?―恋愛論(該当ページ:74〜98、但しこれより後のカッコ内の数字は引用先のページ数をさす)

読書会:第1回 小谷野敦『もてない男―恋愛論を超えて』(1998年、ちくま新書)その3