無調の音楽の美しさ

1月の後半に友人のソロピアノコンサートを観にいって感銘を受けた。それは端的に言って、無調の音楽にも美しさはあるということ。それに改めて気づかされたのだ。音楽通にとってみれば、ごく当たり前のことなのかもしれないし、自分も今までまったく無調の音楽に触れてこなかったわけではないから、その音楽にも何らかの美的感覚を覚えたこともあっただろう。しかし、率直に言って無調の音楽というのは四六時中聴いていられるようなものでもない。たとえば、ドトールとかタリーズとかああいったチェーンの喫茶店のBGMが無調の曲だけだったらどうなるだろうか。おそらく気分が悪くなるお客も出てくるだろうし、テーブルによっては会話が弾まなくなる可能性も否めない...。

まあ、ぼくはそんなわけでその友人のコンサートのレビューを書こうと思っているのだが、あいかわらず書きあぐねている。たいした文章力もないのに、完璧と思えるレビューを書きたいのだ。理想が高いのは結構だが、現実を見たほうがいい気もする。だいたい、自分がいくら丹精込めて書いたところで…いやいや、過剰に自己卑下するのは性に合わないのでこのへんにとどめておこう。ぼくは音楽理論には疎いので、無調の音楽の良さをなにかぴったりくる喩えを用いて書き表すしかない。そこまでは分かっているのだが...。