映画
ケーリー・グラントとオードリー・ヘプバーンの共演、ジバンシイによるヘプバーンのクローズ、マンシーニの音楽、すべて素晴らしいが、プロットが物足りない。
ジェームス・ディーンは素晴らしい。主題がイノセンスの喪失というのも若さを失いつつある28歳くらいで観るのはちょうどいい。
いま観ると善悪の描き方があまりに素朴すぎる。エヴァ・マリー・セイントはこの5年後ヒチコックの『北北西に進路を取れ』で大化けします。
うーんこれは素晴らしい。まあラストがちょっとアレだが。ジェームス・ディーンの思春期ぶりがたまらん。
美貌と若さを失いつつあるヘップバーンが演技力で観客の度肝を抜くの巻、といったら、ヘップバーンファンにしかられるだろうきっと。
いまの自分に大変教育的な映画であった。映写技師いわく「身の周りのさまざまを愛しすぎてはいけない」。名言ですなあ。
陰鬱なあかるさに、優雅な退屈さが上質に定着された物語。人間としての天皇を演じるイッセー尾形をユーモアをまじえて神話的に描き、その苦悩と屈辱とを映像美と禁欲的な演出からエレガンスの域にまで高めている。敗戦を目前に控え、海洋生物学者として学問…
「靖国」をめぐる各国のひとびとを、靖国刀最後の鍛冶職人を中心に描く意欲作。しかしながら予算の問題か、編集素材の問題か不明だが、昭和帝と先の大戦のニュース映像などを適当につなぎあわせた後半20分がひどく、失望するは必定。目の付け所も悪くないし…
アガサ・クリスティによる戯曲『検察側の証人』の映画化。邦題があまりよくない。せいぜい「女証人」とでもすべきだったのでは。とにかくチャールズ・ロートン演じる老弁護士とエルザ・ランチェスター演じる看護婦のやりとりが楽しい。皮肉の効いたセリフの数…
ゴージャスネスという点ではシドニー・ルメットの『オリエント急行殺人事件』に軍配が上がるけれど、エジプトロケが功を奏しているなあ。ベティ・デイビスとマギー・スミスのコンビが楽しすぎるのと、連続殺人が起こってもなおピーター・ユスティノフ(ポワ…
プロットには突っ込みどころありまくりなのだけれど、オールドファッションな推理物が観たかったので満足。本作は石川県を主な舞台として進行するが、映画では石川をいささかステレオタイプに描き過ぎているだろう。が、時代を鑑みればそれは仕方ないとも言…
北村想の原作から改作しすぎだが、がんばってた。世界観には突っ込みどころありまくりなんだけども。仲村トオルの衣装がいちいちかっこよすぎ。衣装センスいいね。安易なハッピーエンドにしないところから、監督の乱歩に対するリスペクトが伝わってきた。平…
仕事帰りに19時過ぎから観ました。えげつなく、あざとく、だいぶ力強い、愛という人の業(欲望)を肯定した物語になってました。力強いセカイ系アニメかな。ちと寂しい気もした。結構、観ながら先が読めちゃったし(笑)。最終的な評価は『Q』および完結編の鑑…
本編そのものよりもおまけのスタッフ座談会が面白かった。本作は強いて言えば、宮崎駿が"アニメ演出家"、"監督"として作った最後の作品といえるかもしれない。宮崎はナウシカ以降から完全に作家になり、アニメーション全体をコントロールする欲望に支配され…
ケネディ暗殺を、ジョンソン副大統領を頂点とした不定形な人的ネットワークによって謀られた物語として描いている。冒頭にアイゼンハワーの退任演説が引用されるが、米国の軍産複合体の問題は21世紀のこんにちもなお引き継がれているので古びていない。また…
[DVD]" title="スリーピー・ホロウ [DVD]" class="asin"> 18世紀末のニューヨーク州を舞台にした首なし騎士の伝説を描く、と見せかけて女による男への復讐の物語ではないだろうか。美術やライティング、撮影などの独特な美的感覚にみなぎる作品。
人類の文明の進化と宿業、その愚かしさについて深く考えさせられる作品。『シンドラーのリスト』と本作は米国籍のユダヤ人監督として、スピルバーグの作家性を考えるとき、共に考慮すべき重要作であろう。
とにかく主人公たちは良く走る。音楽も品良く使われている。アンチカタルシスゆえの逆説的なカタルシス。こーゆーのハードボイルドっていうんだっけ?
戦後のベルリンということでいうと、単純に「第三の男」を思い出したりするのだが、瓦礫のショットにオマージュがあったりするのかな。ケイト・ブランシェット演じる娼婦レーナの象徴する人間の業の深さがみどころ。
駄作。結末がひどい。円盤はいい形をしている。
一度観ただけでは、まとまりがつきそうにないが、思った順に記していこう。端的に言うと、駄作。テレビ版の緊張感と、物語のふくらみ(群像劇としての側面)が矮小化されている。どうしたって50話(1話20分としても16時間以上)ある話を5時間程度でまとめる…
良くできてる。映画だから多少主人公たちが協力的で、それもまたご愛嬌。
本作はSFを借景した恐怖映画である。閉鎖された空間(南極)を舞台にしたホラーとして極めてよくできている。結局人間にとってのいちばんの敵は恐怖に支配される人間の心そのものなのだとしみじみ感じさせられる。 クリーチャー(The Thing)の造形には素朴に…
接触篇はわけわからんな。長尺を編集し切れなかった感が残り、退屈で途中で何度も寝た。発動篇でようやく物語の筋が掴めてきた。バッフ・クランとロゴ・ダウの世界観の違いが面白い。ニューエイジ的かつグノーシス的な何かが宿っている作品。特にバッフ・クラ…