2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

佐藤優 / 獄中記(岩波書店)

獄につながれ、これ幸い勉強ができると嬉々として振舞う変人の日記。本書では省かれた独房での己を律する忍耐と努力があったのだろうが、基本的には雑事にかまけず難解な思想書ばかり読んでいる強靱な精神に驚き呆れる。筆者が役人の柄に収まる個性でなかっ…

椎名誠 / 砲艦銀鼠号(集英社)

シーナ・ワールド三部作の続篇。灰汁と可児と鼻裂の三人があやしい砲艦でポリマー漂う北東アジア地域らしい海域をあてどなく旅する。彼らの生業は・・・(略)。単純に続篇が読めることがうれしい。ぜひまた別の物語で彼らと出会いたいものだ。

指揮:ハンス・シュタットルマイヤー、デヴィッド・ジンマン、演奏:ミュンヘン室内管弦楽団、イングリッシュ室内管弦楽団ほか / モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲ハ長調KV299(297c)、クラリネット協奏曲イ長調KV622

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指揮:レナード・バーンステイン、演奏:コンセルトヘボウ管弦楽団 / シューベルト:交響曲第8番&第9番

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小坂忠 / People

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総監督:富野由悠季 / 劇場版機動戦士Zガンダム(全3作)

一度観ただけでは、まとまりがつきそうにないが、思った順に記していこう。端的に言うと、駄作。テレビ版の緊張感と、物語のふくらみ(群像劇としての側面)が矮小化されている。どうしたって50話(1話20分としても16時間以上)ある話を5時間程度でまとめる…

ロックバンド相対性理論のこれからについて(あるいは沈黙によるプロモーションはいつまで有効か)

相対性理論 / 地獄先生 ロックバンド相対性理論のセカンドアルバム『ハイファイ新書』がよく売れているようで話題になっている。わたしも昨年(2008年)3月26日頃に門松宏明氏のブログ(id:note103)で知ってからわりとよく聴いている。楽曲の巧みさ(歌詞にお…

指揮:ラドミル・エリシュカ、演奏:札幌交響楽団 / ドヴォルザーク:交響曲第6番ニ長調作品60、ヤナーチェク:狂詩曲タラス・ブーリバ

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指揮:ラドミル・エリシュカ、演奏:NHK交響楽団 / スメタナ:わが祖国@渋谷NHKホール

5年前の秋にNHK-FM「シンフォニーコンサート」の公開録音が、狭山市制50周年記念行事として開催された。わたしは当時狭山に住んでおり、市の広報でこの催事を偶然知った。ハガキで応募したら当選したので、市民会館まで観にいったのだった(感想→http://d.ha…

指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン 演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / チャイコフスキー:交響曲第5番

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上杉隆 / ジャーナリズム崩壊(幻冬舎新書)

本邦の報道業界の健全さを損なっている記者クラブを批判する一冊。日本独特のモラルコミュニティである「世間」がマスコミでは根強く残っていることがよく分かる。記者クラブの功罪についてもう少しバランス良く紹介すべきだろう。罪についてはやや冗長で、…

冷泉彰彦 / 民主党のアメリカ 共和党のアメリカ (日経プレミアシリーズ)

政治にまつわる事柄の説明だけではなく“共和党的なるもの”“民主党的なるもの”を米国の文化から掬い出し、分析と紹介を試みているので学生や社会人にも親しみやすいだろう。特に第5章の政策論は説得力があり読み応えあり。第6章は事情通の楽観論の趣。

渡辺信一郎監督 / カウボーイ・ビバップ 天国の扉

良くできてる。映画だから多少主人公たちが協力的で、それもまたご愛嬌。

カウボーイ・ビバップ

DVD

ハードボイルドのベタな設定として登場人物にはみな“過去”があり、それを隠して都会に集まり、群像っぽくあったりなかったりする、だいたいちんまりとした煤けて不器用な芝居をするのさ。主要登場人物のうち誰か一人か二人が死んだらそれを契機に残されたメ…

益田ミリ / すーちゃん(幻冬舎)

ネームの練り方/完成度が素晴らしい。リアルだが、あと一歩踏み込んだら悲惨になるところを絵柄の魅力で回避しているのがナイス。ただし「13年ぶりにセックスできて喜ぶ女」というファンタジーにどのくらいのひとびとが心打たれるかは定かでない。

橋本治と内田樹(筑摩書房)

融通無碍とはこのことだ。とても良いファンが変人作家と対話してそれがひとつの論になっているかのように思えるのが本書の不思議さだ。橋本のあとがきが本書の見事な要約となっている。橋本ファン、内田ファン、その両者のファン、言葉を遣うことに興味ある…

橋本努 / 自由に生きるとはどういうことか(ちくま新書)

突っ込みどころとうなづけるところがいい具合にミックスされている戦略的(?)な一冊。例えば第5章のエヴァンゲリオンとオウム真理教という2つの現象をグノーシスを通して考えるのは、文系学生の卒論の参考になりそうな丁寧な構成と、適度な強引さがある。また…

山口隆 / 叱り叱られ(幻冬舎)

大瀧詠一や山下達郎や岡林信康とここまで渡り合えるのは凄いね。民生との対談が霞んでしまった。

マルホランド・ドライブ サウンドトラック

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寺尾紗穂 / 御身

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