2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧
獄につながれ、これ幸い勉強ができると嬉々として振舞う変人の日記。本書では省かれた独房での己を律する忍耐と努力があったのだろうが、基本的には雑事にかまけず難解な思想書ばかり読んでいる強靱な精神に驚き呆れる。筆者が役人の柄に収まる個性でなかっ…
シーナ・ワールド三部作の続篇。灰汁と可児と鼻裂の三人があやしい砲艦でポリマー漂う北東アジア地域らしい海域をあてどなく旅する。彼らの生業は・・・(略)。単純に続篇が読めることがうれしい。ぜひまた別の物語で彼らと出会いたいものだ。
一度観ただけでは、まとまりがつきそうにないが、思った順に記していこう。端的に言うと、駄作。テレビ版の緊張感と、物語のふくらみ(群像劇としての側面)が矮小化されている。どうしたって50話(1話20分としても16時間以上)ある話を5時間程度でまとめる…
相対性理論 / 地獄先生 ロックバンド相対性理論のセカンドアルバム『ハイファイ新書』がよく売れているようで話題になっている。わたしも昨年(2008年)3月26日頃に門松宏明氏のブログ(id:note103)で知ってからわりとよく聴いている。楽曲の巧みさ(歌詞にお…
5年前の秋にNHK-FM「シンフォニーコンサート」の公開録音が、狭山市制50周年記念行事として開催された。わたしは当時狭山に住んでおり、市の広報でこの催事を偶然知った。ハガキで応募したら当選したので、市民会館まで観にいったのだった(感想→http://d.ha…
本邦の報道業界の健全さを損なっている記者クラブを批判する一冊。日本独特のモラルコミュニティである「世間」がマスコミでは根強く残っていることがよく分かる。記者クラブの功罪についてもう少しバランス良く紹介すべきだろう。罪についてはやや冗長で、…
政治にまつわる事柄の説明だけではなく“共和党的なるもの”“民主党的なるもの”を米国の文化から掬い出し、分析と紹介を試みているので学生や社会人にも親しみやすいだろう。特に第5章の政策論は説得力があり読み応えあり。第6章は事情通の楽観論の趣。
良くできてる。映画だから多少主人公たちが協力的で、それもまたご愛嬌。
ハードボイルドのベタな設定として登場人物にはみな“過去”があり、それを隠して都会に集まり、群像っぽくあったりなかったりする、だいたいちんまりとした煤けて不器用な芝居をするのさ。主要登場人物のうち誰か一人か二人が死んだらそれを契機に残されたメ…
ネームの練り方/完成度が素晴らしい。リアルだが、あと一歩踏み込んだら悲惨になるところを絵柄の魅力で回避しているのがナイス。ただし「13年ぶりにセックスできて喜ぶ女」というファンタジーにどのくらいのひとびとが心打たれるかは定かでない。
融通無碍とはこのことだ。とても良いファンが変人作家と対話してそれがひとつの論になっているかのように思えるのが本書の不思議さだ。橋本のあとがきが本書の見事な要約となっている。橋本ファン、内田ファン、その両者のファン、言葉を遣うことに興味ある…
突っ込みどころとうなづけるところがいい具合にミックスされている戦略的(?)な一冊。例えば第5章のエヴァンゲリオンとオウム真理教という2つの現象をグノーシスを通して考えるのは、文系学生の卒論の参考になりそうな丁寧な構成と、適度な強引さがある。また…
大瀧詠一や山下達郎や岡林信康とここまで渡り合えるのは凄いね。民生との対談が霞んでしまった。