2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ユリイカ(特集:ポストノイズ、2005年3月、青土社)

めくっていたら、田所(http://yoppa.jpn.org/)さんのお顔を拝見して、ありゃまと驚いた。たどさんは「ポストノイズ系」のひとなのだろうか。ちゅうかね、この「ポストノイズ」っていう概念はいまいちわかんなくて、フォーカシングの甘い特集だと思います。菊…

菊地成孔、大谷能生『東京大学のアルバート・アイラー』書評@毎日新聞

2005年7月17日(日)付毎日新聞東京版書評欄に井上章一(国際日本文化研究センター助教授)による『東京大学のアルバート・アイラー』評が載ってます。かいつまんでいうと、「今までジャズの本はあまりに文学的過ぎていた、しかし、これは画期的な本だ、わた…

第2章 フーゴ・バルについて 2-1 バルの人生

フーゴ・バル(Hugo Ball)は1886年2月22日、現在のドイツに生まれ、音楽好きで敬虔なカトリック信者の家庭に育った。バル家は決して裕福ではなかったようで(兄弟がほかに5人もいた)、彼はギムナジウム卒業後、一度大学進学を断念して、皮革工場に就職してい…

第2章 フーゴ・バルについて

(右:参考画像 バルとその妻エミー・ヘニングス)

連載 卒業論文:ふたりのダダイスト 第4回

第1回 http://d.hatena.ne.jp/utubo/20050701#p1 第2回 http://d.hatena.ne.jp/utubo/20050712#p1 第3回 http://d.hatena.ne.jp/utubo/20050714#p1

ビム・ヴェンダース監督 / The Soul of A Man

以前この日記で二度紹介したマーティン・スコセッシプロデュースによるブルーズ・ドキュメンタリー・シリーズのうちの一作品。 物語は主にスキップ・ジェイムスと、J.B.レノワというふたりのブルーズメンに的を絞って進行する。前者は1931年の3月に、パラマ…

森田芳光監督 / 刑法第39条

まず映像のとても暗い色調に驚いた。どういう技術を使っているんだろうか。堤真一の人格交代の芝居が「いかにも」(決してへたくそではない)だったところに、詐病説を持ってきたところは秀逸。まあでも途中から筋が見えてきてしまうんだよな。そのあたりプ…

第1章 ことばを殺す装置としての戦争 1-3 ことばがことばを「殺す」戦争

「戦争」ということばの持つちからに気づいたのはいいが、「なぜ戦争がおきた理由がつぎつぎと変えられていくのか」という問題よりも、考える必要のある問題がわたしたちの生活には確実に存在する。それは、日々の生活の中で、それなりに重要だ。母は晩御飯…

第1章 ことばを殺す装置としての戦争

連載 卒業論文:ふたりのダダイスト 第3回

第1回 http://d.hatena.ne.jp/utubo/20050701#p1 第2回 http://d.hatena.ne.jp/utubo/20050712#p1

第1章 ことばを殺す装置としての戦争 1-2 ことばがことばを「殺す」構造

わたしの生きる21世紀にも戦争はある。誰かが「この「戦争」は終わった」といっても、戦争はなかなか終わるものではない。 2003年3月17日、米国のブッシュ大統領は米国民向けのテレビ演説で、「イラクが大量破壊兵器(Weapons of Mass Destruction:核兵器、…

第1章 ことばを殺す装置としての戦争

連載 卒業論文:ふたりのダダイスト 第2回

第1回はこちら→http://d.hatena.ne.jp/utubo/20050701#p1

加藤典洋 / 僕が批評家になったわけ (岩波書店)

第2章「批評の酵母はどこにもある」、第4章「ことばの批評」が殊におもしろかった。内田樹ファンもぜひどうぞ(読めばわかります)。

東谷護 / 進駐軍クラブから歌謡曲へ (みすず書房)

敗戦後、日本に進駐した米軍属を慰安するために国内各地に設けられた「進駐軍クラブ」(1945〜1952年、占領期)が、日本の洋楽受容における転機となったこと、ビッグバンドスタイルの演奏がその後の歌謡曲に及ぼした影響を、各種資料、バンドマン、元駐留軍…

ブルボン小林 / ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ (太田出版)

ブルボン小林こと長嶋有のビデオゲームにまつわるエッセイ集。かなりくだけていて苦笑失笑爆笑の連続でした。帰宅ラッシュの電車の中で読むのは危険! 「怒られゲー」などとうそぶいて、喜んでいるあたり、若い女の子に怒られるとうれしいと発言する穂村弘の…

上尾信也 / 歴史としての音 (柏書房)

楽譜の変遷を通して考える西洋音楽のモダニゼーション、シンボルとしての楽器論、音楽家の異能性と社会的地位の相関性などについて、詳らかに論じられている。目に見えない「音」という現象を、音楽史という記号論に移し替えることへのためらい(音をとらえ…

内田樹、名越康文 / 14歳の子を持つ親たちへ(新潮新書)

親子関係(家族)論を起点として身体論に及ぶ。軽く読めるけれども、その放言の中にキラキラ鋭いことのはありけり。

鈴木謙介 / カーニバル化する社会(講談社現代新書)

読み応えありました。ちぃと難しかった。データベースを参照して快楽を摂取して行く生き方がもたらすであろう功罪について、留保しつつ(雰囲気としては試論だ)述べていて、東浩紀の『動物化するポストモダン』を思い浮かべていたら、後書きで東のメールマ…

花村萬月 / 父の文章教室(集英社新書)

言葉の選び方が、きびきびしていて面白かった。小説家志望の名目で生涯遊び歩いた父に施された狂気の英才教育。その課程を振りかえって花村の「物語」についての考えや、両親に対する考えが述べられる。文と文の間から、孤独と寂寥と高慢が感じられる一冊。…

最近の読了本(6月23日〜7月10日)

原信夫とシャープス&フラッツ / ライブ1976

CD

二枚組CD。かっこいい。スティービーの「迷信」をカバーしている。それが凄くファンキー!!!鍵盤でくりかえされる冒頭のフレーズをエレキベースが演っているのだが、もうホント驚き。深町純のオリジナルもすばらしい。

モダンチョキチョキズのローリングドドイツ

CD

素晴らしい。リアルタイムで彼らのライブパフォーマンスを観られなかったことが残念でならない。1992年発表の第一作。

John Tropea / Standard Influence

CD

スタジオミュージシャンとして有名なギタリストのソロアルバム。スティーブ・ガット参加。とても洗練されたノーブルでリラクシンなジャズ作品。

Stevie Wonder / Talking Book

CD

「君は僕にとっての太陽」のベースラインが恐ろしくファンキー。1972年リリースのグラミー賞受賞作。収録曲「迷信」の素晴らしさは言うまでもない。

オルケスタ・デ・ラ・ルス / デ・ラ・ルスの歴史

CD

1993年、東京厚生年金会館でのライブレコーディングを含む。ブラスの音の薄さが気になる。リマスターされたディスクで聴けば、また印象も違うだろう。

Otis Spann / Biggest Things Since Colossus

CD

マディ・ウォーターズ・バンドで活躍したピアニストの60年代の作品。もう少し古い年代の作品を買えば良かったかな。悪くないが、移動中に聴くのにはあまり適さないビート。

砂原良徳 / Crossover

CD

後の『LOVEBEAT』で聴けるような緻密さと個性は窺えないテクノ風なトラックが多い。

Common / Be

CD

学校の友人が貸してくれたヒップホップ。サウンドプロダクションがウェルコンストラクティッド。エレガントとまでは、言えないがインテリジェンスを感じさせるMCが印象的だった。