2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧
わたしは同監督のことを知らないが、非常に知的なアプローチで、ドイツ人は元より、全世界に散らばるユダヤ人、そして欧州の精神的な傷であるヒトラーを描いたその気概に感服した。 映画はナチスドイツの敗色濃い1944年のベルリンを中心に展開する。ヒトラー…
カット割りとかコラージュされる映像とか面白かった。拳銃規制推進派のプロパガンダ映画として秀逸。
最近観た映画/聴いたCD(6月23日〜7月9日)
前回恵比寿での演奏は全編死の匂いが濃厚だったが、今回はとても力強さが増した感じ。中盤で演奏された「イズファハン」が、とても良かった。菊地さんのMCにもあったが、この音楽はそう広くないライブハウスでスタンディングで観るものではないと思います。…
5年前に聴いた、エキゾティシズムに関する細野晴臣とデイヴィッド・トゥープの対談(これもかつて対談を再構成しました)を思い出しました。興味がおありの方はこちらをどうぞ→(http://frostedglass.hp.infoseek.co.jp/report/exotica.htm) このときは司会…
I 今、わたしは「時間」について考えることが、政治や経済、この社会について考えることの何よりも重要だと思うんですね。 K まったく同感ですね。クロノス的な「時間」、過去、現在、未来という直線的な「時間」は静的な秩序として、われわれの生の中に完全…
I わたしは『南米』を聴いて、これは具象画であるな、新具象であるという印象を強く抱いたんですが、菊地さんは、現代の大衆音楽というものは、どういった方向に進んでいると考えてらっしゃいますか。 K 今、音楽が抽象に向かっているという感じは凄くありま…
K 民族音楽の特徴として、そのリズムに常に「訛り」があるということが挙げられます。アルゼンチン・タンゴにしても、不思議だと思ったのは、彼らはパーカッションをまったく使わずひざの上に乗せたバンドネオンだけでうねりのあるリズムを作っていくという…
I 先ほど、「他者」としての「場所」であるエキゾティシズム、「他者」としての「肉体」であるエロティシズム、「自意識」にたいする「他者」としての「無意識」という話をしましたけれど、エキゾティシズムにはもうひとつの要素があると思います。それは「…
(右:参考画像 デューク・エリントン『極東組曲』ジャケット)
I 菊地さんは創作におけるメランコリーについてどうお考えですか。 K そうですね。ラカン派、フロイト派、どちらも精神分析学に言わせれば、不安を伴う精神疾患というのはその幼児体験に根ざしているということになってしまうと思うんですけどね。幼少期に、…
K ぼくは2002年に不安神経症を発症しまして、ラカン派の精神分析医にかかりまして、分析治療を受けました。彼がラカン派の医師だからといって、その治療がラカン派的なものかといったら、そうではなくて、フロイド的なものがベーシックにあったと思うんです…
I 20世紀に入りまして、閉塞的なアートを賦活させるために、エキゾチシズムを用いるということが西欧では流行しますが、代表的なものとしては、1931年のパリで開催された国際植民地博があります。同様の催しはロンドン、アムステルダムなどでもありました。…
(右:参考画像 タンゴ用シューの一例)
菊地成孔出演回。センチメンタルでした。しかも短かった。30分でまとめるのは大変だな、と思いました。なんかいろいろ(講師業とか、音楽活動とか)やってる「忙しい人」っていうくらいの印象だったなあ。東大の講義の映像とか、歌舞伎町の菊地邸の映像が観…
I 菊地さんの『南米のエリザベス・テイラー』を聴かせて頂きまして、この中に凄く好きな曲もありまして、ええとルペ・ベレスの...。 K 「ルペ・ベレスの葬儀」ですね。 I この人(ルペ・ベレス)も、いっとき大変人気のある女優で、晩年すごく不幸な死に方を…
K エキゾティシズムやエロティシズムというのは、今、非常に使いにくいことばですね。バイアスがかかっているというか。とっても使いやすい時期というのもあったわけですけど。 I そうですね。20世紀のモダニズムを推進したエンジンとして、「他者性」の発見…
伊藤俊治(以下I) このジャングルの奥にオペラハウスを作る、という壮大な夢に挑んだフィツカラルドという男の物語ですが、今日は映像を用意してますので、今(スクリーンに)かかっているのはビデオの映像ですけれども、DVDをかけてもらえるかな。えーとこ…
(右:参考画像 現在のアマゾナス劇場)
菊地成孔(以下K) ぼくはまあ、この、ハイアートっていうんですか、この大学で取り扱っているようなアートについては完全の門外漢で、このキャンパスの向こう(註:音楽学部のことか)に入ろうとして挫折したような人間ですから、本当はあんまり伺いたくな…
上野は東京芸大美術学部中央棟第一講義室で、伊藤俊治教授と菊地成孔の対談を聴いてきました。運良く着席でき、メモを採ることが出来たので、文章としてまとめたいと思います。上手くまとめられるか、わからないけれども...。ちなみにこの対談は東京藝術大学…
菊地成孔が夢に出てきた。最近はア・パップ(Ah! Popp)と呼ばれるジャズがとてもはやっているらしい。菊地氏いわく「わたしはベーコンと、チェダーチーズ、トマトソースは一緒に食べないことにしています。なぜって肥満の原因になるからね」とのこと。 しか…
ぼくは政治を恐れ、そこから離れようとしてきた。論難し、追い詰める。憎しみを煽り、呪詛の言葉を吐く。そこでいちばん虐げられているのは言葉なのだった。 だが、そうだろうか。 ぼくにはいまこそはっきりとわかる。 ぼくたちがいるのは戦場なのだ。ここで…
本論文は、NEC製ノート型パソコン LL730/5を用いて、Microsoft Wordで書かれた。制作期間は2003年6月〜12月である。本論文を書き終えた後、わたしは自分の中に澱んでいる何かダークなつかえのようなものが雲散霧消するような解放感と充実感、爽快感を覚えた…