2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧

2-6 性交相手がいないという問題

筆者はまず都市の「吉原のような格式の高い遊里では、初回、裏、馴染みという形で、客は三度通って初めて女郎と枕を交わすことができた」(63)という事実から、「徳川期の遊里では、擬似的な「恋愛」が行われていた」(同)とする。これは「明治初期、娼妓解放…

2-5 自慰することの問題

筆者は、十八世紀スイスのサミュエル・ティソが「オナニー有害論」を提唱し始め、それ瞬く間に欧州を席巻し、やがて明治期の日本にもその思想が流入し「実際、明治から昭和にかけて、多くの、もっぱら若い男がオナニーに対する罪悪感に悩んだ」(60)と言う。…

2-4 前近代日本の「おかず」について

筆者は春画(「徳川時代の浮世絵の一変種」であり、「男女のまぐわいを、その性器の部分を拡大して描いたもの」(56))を紹介し、これがオナニーの「おかず」であったことをタイモン・スクリーチの発言(「春画はオナニーの道具である」)を引いて補強してい…

2-3 自慰具の種類

筆者はヘンリー・ミラーの小説を読みその影響で、カップラーメンを使ってオナニーを試みたが、「全然オナニーの快楽というものが」(51)なかった。現在では、「カップラーメンの容器をひとまわり小さくしたようなものにスポンジを詰め、仕切りを入れてオナニ…

2-2 「おかず」の発見とその種類

筆者は「中学生のころ、NHKで人形劇『真田十勇士』を放送していて」、その原作(柴田錬三郎作)を読んだところ、「擬古的な文体で書かれた何とも官能的な小説群」であり、「その内、官能的な場面を読んで興奮することと、一物を刺激することとが重なり合いは…

2-1 自慰の種類

筆者は十八歳頃、伊丹重三編集の雑誌『モノンクル』(朝日出版社)を通して、「「イメージのないマスターベーション」というのもあって、自分の肉体の快感だけのものもある」(45)ことを知る。筆者の「経験や感触から言うと、十代後半から、二十代にかけての…

概要:第二回 「おかず」は必要か―自慰論(該当ページ:44〜68、但しこれより後のカッコ内の数字は引用先のページ数をさす)

読書会:第1回 小谷野敦『もてない男―恋愛論を超えて』(1998年、ちくま新書)その2

感想/意見:まえがき&第一回 童貞であることの不安―童貞論

本書にたいしての感想や意見を述べていくにあたって、わたしは基本的に自分の体験に即して発言しようと思う。そうしないとつまらないからである。まず「もてない男」の定義、この点についての理解は大切である。本書を読むうえで、問題となっているのは、「…

1-5 童貞と潔癖さ、そして 童貞喪失はあっけないのかどうか

筆者はフランスのフレデリック・アミエルの日記を紹介し、彼が四十歳まで童貞であったこと、それは彼の潔癖と、恋愛への高い理想が理由であったことを指摘する。そして、アミエルの「とにかく男と名のつく者が、必要な場には自分が教え手となることもあるの…

1-4 初体験において性交そのものよりも難しいこと

筆者は高橋留美子『めぞん一刻』と、ちばてつや『のたり松太郎』を通し、物語の中での「性」描写の難しさを解説したのち、三木卓『ミッドワイフの家』を引き、童貞にとって「性行為そのもの以上にむずかしいのは、こういう際にどういうコミュニケーションを…

1-3 初体験への恐怖

筆者は、以下の四点をアダルトヴィデオや、マンガ、文学作品を交えながら、初体験への恐怖として述べている。 「初めて異性と肌を合わせ、性器挿入をおこなうのが、自己の身体の使用という点で男女を問わず不安に駆られるのは自然な感情だろう」(20) 「妊娠…

1-2 「処女」に対する「童貞」

「女というジェンダーが、異性に触れたことがあるかどうかに関して有徴であったことは否定しえない。それに対し、「童貞」という状態への関心の低さは、これを表す言語の貧困と相まって甚だしい」(12)とし、「男にとっての童貞であること、あるいは童貞喪失…

1-1 「もてない男」の定義

小谷野(以下筆者)は、まず「まえがき」で、彼の言う「もてない男」について定義している。箇条書きしてまとめてみると以下のようになる。 「好きな女性から相手にしてもらえない、というような男」(8) 彼は「高い理想を求めて、これに叶わない異性は相手…

概要:まえがき&第一回 童貞であることの不安―童貞論(該当ページ:7〜40、但しこれより後のカッコ内の数字は引用先のページ数をさす)

読書会:第1回 小谷野敦『もてない男―恋愛論を超えて』(1998年、ちくま新書)その1

二ノ宮知子 / のだめカンタービレ (11巻、講談社コミックスキス)

10巻あたりでのちょっと停滞した感じをうまく転がした感じで!ううー。完結まで買い続けねばならんのう。 評価:★★★★

難波江和英、内田樹 / 現代思想のパフォーマンス (松柏社)

評価:★★★★

ウェブ読書会

ウェブ読書会は、タキネコさんの構想/提案により昨年末から詳細についてメールでやり取りを始めました。今日明日から、タキネコさん、かたる(id:kataru2000)さん、小生の三名各人のブログ(ウェブ日記)を利用し、始める予定です。ちなみに第一回の課題図書…

藤子・F・不二雄 / パーマン (3巻、小学館ぴっかぴかコミックス)

内容には満足。しかし「ぴっかぴかコミックスカラー版」と謳っているのだから、全頁フルカラーにするべきだ。値段は上げてもいい。しかし、売れ行きが芳しくないのだろう。さらに値段を上げたらシリーズが続かないか。贅沢を言えば初出リストをつけてほしい…

村上春樹 / アフターダーク (講談社)

村上春樹の小説における作風が近年はっきりと変化を示したのは、ノンフィクション作品として発表された『アンダーグラウンド』(1997年発表)以降である。村上は、実際に地下鉄サリン事件の被害者に会い、綿密な取材を行った。この『アンダーグラウンド』が…

2004年ノンジャンルベスト5 更新

本日最終日までに頂いた五名分を更新いたしました。ていどひくいHTMLではありますが、どうぞご覧ください。 ご投稿いただいた皆様、ありがとうございました。しばらくして落ち着いたら、例年のように「総評っていうか感想みたいな」を書きたいと思います。

秋本治 / Mr. Clice (3巻、集英社)

評価:★★★★

諸星大二郎 / 黄泉からの声 (集英社)

評価:★★★

二宮ひかる / 復讐のように (白水社)

評価:★★★

Radiolab by Memorylab

高橋健太郎氏によるウェブラジオ。選曲がとてもよく心地いいです。一度お試しあれ。

2004年ノンジャンルベスト5 更新

本日お一方の分を更新いたしました。どうぞご覧ください。なお、本日までご投稿を募っております。ご投稿をお待ちしております。

南アフリカ人による「20世紀ノスタルジア」感想

まず原文を全文引用しておきます。原文の下に拙訳を。30分くらいで適当に訳したので本当に拙いですが。 "An innovative experimental film" written by Martin Kohler@Pretoria, South Africa This is an interesting and innovative film about a young stu…

2004年ノンジャンルベスト5 更新

本日お一方の分を更新いたしました。どうぞご覧ください。なお、明日10日までご投稿を募っております。ぜひご参加ください。

2004年ノンジャンルベスト5 更新

本日お一方の分を更新いたしました。どうぞご覧ください。なお、明後日10日までご投稿を募っております。ぜひご参加ください。